シンポジュームin沖縄 2011.2.11

2月11日に沖縄県那覇市にある沖縄県立博物館・美術館において、シンポジューム(Team S.O.S.主催)を開催しました。3.11から1年が過ぎようとしている今、我々にできることは・・・。


事前予約とした会場は満席となり、この一年間、チームSOSが福島県相馬市での活動を通して友好を暖めてきた方々の体験談、教訓として認識したこと、現地の実情、また今後の歩み方などを中心に熱く語っていただきました。講演の後のパネルディスカッションでは沖縄在住の方々より多くの質問が寄せられ、最後に出席者全員が輪になり手を取り合い、声高らかに’ パオ ’ で閉会となりました。
SOSのメンバーは、「今」 の大切さ、「やり続けること」 の大切さを、もう一度心に刻んだ瞬間でもありました。


<講演者のご紹介>

川嶋 舟 (かわしま しゅう)

東京農業大学農学部 講師(獣医学博士、獣医師)

[講演要約]

皆様の多大なるご支援に感謝申し上げます。復興への道を着実に進んではいますが、先はまだ長いものと感じます。皆様の無理のない範囲で、時折、被災地に思いを寄せていただけますことが、大きな励みになると考えています。
(ご自身、当日は相馬へ向かう列車のなかで地震がおき、悲惨な光景を目の当たりにしながら、数時間歩き続けて相馬に着いたという経験をされています。)


小野 芳征 (おの よしゆき)

カネヨ水産 代表

[講演要約]

当日、津波が来るという情報が入り、半信半疑で高台に非難したが、まさかあんなに大きな津波がくるとは本当に予想していませんでした。真っ黒い津波を目の当たりにして、家が、車が、すべてのものが流されていくのを、ただ見ているだけで何もできない自分達。そして津波が去った後、辺りを見た時の愕然とした思い、あの風景は今も目に焼き付いています。今は仮店舗で営業していますが、やはり震災前の場所で今まで通りの商売を地域の人達と一緒にしたいという思いは消えません。原発問題が収まらない今、どうしたら立ち上がる事ができるのか、地域の皆さんと共に考え、共に行動していく事が大事なのかなと思っています。


高橋 誠 (たかはし まこと)

福島県相馬市立飯豊小学校 校長

[講演要約]

3.11当時勤務していた相馬海浜自然の家は、福島県の浜通り北部、相馬市東の海岸近くにあり、自然体験教育施設として年間4万人近い人が利用していました。大震災によりその自然の家がある磯辺地区は、津波により壊滅的な被害を受けました。メディアでは、復興が進んでいるがごとく報道されていますが、それは見た目での話だと思います。これからやっていかなくてはならないことは、「今」を大切にし、今回の大震災で経験したことを風化させないことがとても大切なことだと考えています。


安部 勝弘 (あべ かつひろ)

福島県相馬市企画政策部秘書課 係長

[講演要約]

当日は山形市での研修に職員4名で参加していた。ただ事ではない長い揺れがおさまって直ちに停電、渋滞で大混乱する山形市内をくぐり抜け相馬へと急いだ。車載TVに映し出される巨大津波の映像から、相馬市も甚大な被害が出ていることを覚悟。家族の無事を祈る。約4時間後に市役所に戻ったときには、庁内の備品や書類が散乱する中、災害対策本部体制のもと、職員、消防、警察などが緊迫して初期対応にあたっていた。
今後は、相馬市では、被災者が自立した生活を営むことができるように、「高齢者、子供、青壮年層がそれぞれの人生のステージで、生活再建をどのように果たしていくか」を念頭に置いて、復興事業を展開していきます。


藤原 珠世 (ふじわら たまよ)

医療法人社団 青空会 大町病院 看護部長

[講演要約]

震災時は、病院勤務していました。大津波で被災した市民の受入に夜中まで勤務していました。原発事故で職員が避難し3月21日患者全員搬送まで病院に泊り込みをしていました。今回伝えたいメッセージは「困難に遭遇した時、前向きに頑張っていれば多くの方々が力を貸してくれる。それを励みに自分のできる事をやり続ける事」です。
あのときのSOSの皆さんの協力や、多くのボランティアの皆さんの活動があったからこそ、いま、こうして大町病院が存続していると思っています。


安部 淳 (あべ じゅん)

株式会社朝日海洋開発 代表取締役

[講演要約]

震災当日、私たちは愚かにも逃げずに会社にいて、津波に流されました。妻は自宅に、私は会社の2階に逃げ込み、のち偶然にもその二つの建物がぶつかって妻を社屋に引き寄せました。その建物ごと川に流されましたが、度重なる幸運により生還できたのです。生死の境とは、紙一重ほどの厚さにも満たないものであることを身をもって知りました。
「津波って凄いね」 この言葉、10ヶ月を過ぎた今でもほぼ三日に一度は口を突いて出ます。津波は凄いものなのです。どうかみなさん、皆さんも誤解や慢心を捨ててください。同じ過ちを繰り返さない為にも。